「私たちの仕事は、ただ土地や家を売買するだけではありません。お客様のニーズに合った情報を提供し、くらしの夢へと橋渡しをするパイプ役だと思っています」と語る日下さん。企業理念を伺うと、第一に顧客満足、次に地域貢献と積極進取の3つの柱を挙げた。
日下さん率いる会社は今とても熱い視線を浴びている。それは平成19年4月に『ホットハウススーパーアリーナ』として、宮城県総合運動公園・総合体育館(旧グランディ 21 )のネーミングライツを取得したからだ。これまでも楽天イーグルスのオフィシャルスポンサーとして、地元のスポーツ振興を大いに応援してきた。特に今回は全国からの反響も大きく、宮城を代表する企業としての責任の重さをひしひしと感じているという。
大学卒業後は不動産の営業ひと筋に歩んできた。31才の時に独立。平成4年に『株式会社ホットハウス』を設立した。実家がガソリンスタンドを営んでいたこともあり、商売は大好き。管理職のポストを捨てて起業することにまったく抵抗はなかったという。事業を始めた頃は不動産売買が多かったが、次第に将来を見据えた先行投資をしていくことになる。誰もやらない新しいことを先駆けてやっていくのが日下流経営術なのかもしれない。たとえば100円パーキングの導入を仙台ではいち早く決めた。また、投資用の賃貸マンション事業にも積極的に乗り出していった。
ホットハウスの賃貸マンション『ヴィアーレシリーズ』は、全てデザイナーズマンションだ。都市型で駅から2キロ圏内、大通りに面したお洒落な外観が目を引く。プロジェクトごとにコンセプトを設定し、他社との差別化をはかっている。屋上庭園や空中庭園がある賃貸マンションも近々誕生する予定になっているそうだ。
ちなみにヴィアーレ〔viale 〕とは、イタリア語で「大通り」「並木通」の意味。また本社ビルである『シエロ仙台ビル』の「シエロ」とはイタリア語で「大空」「青空」といった意味。両方とも大らかで前向きな姿勢の日下さんのイメージと重なり合う。
社員のひとりに日下社長の人となりを伺ってみた。ひと言でいえば、とても判断の早いトップであり、その場で即決してくれるので仕事の効率が何倍もアップするのだとか。
今後の抱負としては、人材の育成に力を入れていきたいと語る日下さん。新入社員は元気で明るく、きちんと挨拶が出来るように。また現場に携わる社員には常に経験を積みながら即戦力を身につけてほしいと言う。
日下さんの左手に光る指輪がまだ新しいものに見えた。聞けばプライベートでも幸せな出来事があったのだとか。平成18年12月に素敵な奥様と再婚されたばかりだったのだ。今、3人の子どもさんとともに充実した日々を送っている。エネルギッシュに仕事をこなし多忙を極める日下さんにとって、家庭は最高の憩いの場になっているにちがいない。