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仙台発。大人の情報誌「りらく」顔語り

及川裕文(おいかわひろふみ)

及川 裕文

及川裕文 - おいかわ ひろふみ

有限会社モダン・クラフト代表取締役。昭和38年生まれの44才。気仙沼市唐桑町出身。地元の高校を卒業後、美容師をめざし仙台の専門学校に入学。その後は技術を磨くために東京池袋にある美容室に8年勤める。その間総店長となりマネージメントを学ぶ。再び仙台に戻り、独立。ユニット長町南店をオープンさせたのを皮切りに市内に8店舗、新しい風を感じる人気店を次々に出店している。

 笑顔がいい。けっしてお愛想ではない、自然な笑顔が似合う人だ。だからファンも多いと聞く。りらく読者の中でも、「美容室ユニットの及川さん」としてご存知の方も多いはずだ。常に真摯な気持ちでお客様と向き合い、そのひとのチャームポイントを見つけてアドバイスをしているという。世の中、他人のいいところを見つけて素直に誉められる人は少ないものだ。それは女性にとってはうれしいことであり、自信にもつながる。多くの女性から絶対的な信頼と支持を得ている理由が見えてくる。基本は、ひとに何かをしてあげたい、心に残ることをしてあげたいという気持ち。美容の世界を通して、お客様とともに、またスタッフ同志で、「夢と希望と活力を育むキャッチボールをしながら成長してゆきたい」と願っているのだとか。美容師として超一流の腕を持つアーティストであり、また8つの店を束ねる経営者の顔を持つ及川さんだが、同時にひとりの人間としての魅力も大きい。

  今までどこにもない美容室づくりをめざしてやってきた。今年6月に若林区大和町にオープンした『ロイヤルmc』はその代表的な店舗だ。コンセプトはゆったりとした大人の美容サロン。地中海のリゾート地で自分だけの美しい時間を楽しむ、そんな気分にしてくれる会員制のお店になっている。フェイシャルエステやヘッドスパなどの個室もあり、店内はいつもお客様を大切にする空気にあふれている。

  学生時代はバレーボールに明け暮れていた。遊びはアウトドア派。キャンプにもよく出かけるという。海の町唐桑町の出身なのに生の魚は大の苦手で好物はカレーライス。好きな歌は元気が出る曲。趣味はパチンコなのだとか。意外な気がしたが、理由を伺うとなるほど納得である。それは、新しいパチンコ台が次々と出現してきて、これが経営のアイディアにとても役立っているらしい。

  仙台の美容学校を卒業してすぐ東京へ。池袋にある美容室に8年間勤めたが、「アシスタント時代の3年間は手取りの給料が1万円。大変ではあったが楽しくもあり、その時の経験が今の自分をつくっているし、あの当時のことを思えばなんでも出来てしまう」と語る及川さんだ。一番好きな言葉は?という質問に、答えは「朝」。「朝という漢字は十月十日(とつきとおか)と書くでしょ。赤ちゃんと同じように朝に生まれ変わるんです。今日もまた新しい命をいただいて仕事が出来ることを喜び、感謝する。私自身、母を早く亡くしているし、28才の時には父を、そして東京でお世話になった美容室の社長も、私が仙台に帰って間もなく亡くなりました。身近な人との別れを多く経験しているせいでしょうか。お金やモノを残すより、記憶や心を残したいという思いをずっと大切にしています」と心境を話してくれた。

 


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