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仙台発。大人の情報誌「りらく」顔語り

今野克二(こんのかつじ)

今野 克二

今野 克二 - こんの かつじ

お茶の井ヶ田・井ヶ田製茶株式会社代表取締役社長。昭和28年仙台市生まれの53歳。大学卒業後七十七銀行に入社。6年間のサラリーマン生活を経て、その後お茶の井ヶ田に迎えられる。平成6年にお茶の井ヶ田社長。平成8年に井ヶ田製茶社長に就任。仙台市在住。
座右の銘は「平常心是れ道なり」。お茶の文化に新風をおくり続けるチャレンジャーでもある。

 創業は大正9年。80余年の歴史を持つ、お茶の老舗である。七夕飾りの豪華さや、恒例の正月初売りなどでもすっかりお馴染みになっている地域の一番店でもある。そんな歴史の重みを大切にする一方で新しい商品開発や店づくりに邁進しているのが今野さんなのである。昨年6月に亡くなった先代の井ヶ田徳治さんから、すでに平成6年に社長の責務を引き継ぎ、その薫陶を受けてきたという。

  「日本茶を含む、日本の伝統産業が衰退の一途をたどり、お茶もこのまま飲まれ続けるかどうかもわからないのが現状です。お茶屋として、商売の新しい切り口が必要だったのです。」と語る今野さん。お茶は飲むものだけでなく、食べるもの。というコンセプトでお客様に喜ばれる商品開発を進めてきた。まずその手始めになったのが一番町本店前で販売した抹茶のソフトクリームだった。私たち消費者にとっても、ちょっとしたサプライズであり行列して味わった経験のある方も多いはずである。その後は仙台市内の各区ごとに「喜久水庵」を一店舗ずつ増やしていった。そしてこの2月には6店舗目となる「喜久水庵泉高森本店」がオープンする。従来は和風で蔵づくりの店構えであったが新店舗は洋風のイメージに一新。音楽が流れ、美しいメロディを堪能しながらお買物やお食事が楽しめる優雅な空間が誕生する。

  音響効果を良くするために天井を高くし、グランドピアノがあるホールではミニコンサートも開催する。

  またクラシック音楽が大好きだった先代が愛用したLPレコードを千枚ほど用意し、暖かみのある音色をBGMとして流したいという。さらにメニューにもひと工夫が加えられ、「お茶のしゃぶしゃぶ」や「せいろ蒸し」など従来の喜久水庵にはない、お茶をベースにした新しい味わいも楽しめるそうだ。

  「新しい店舗が増えるごとに社員がどんどん成長してゆくのがうれしい限りですね。うちの会社では20代・30代を中心に社員の夢を5年に一度、一冊の手帳にまとめているのです。5年後にはどんな仕事をしたいか。またどんな自分になっていたいかなど、10の部門にわたる100の夢を出させます。すると私が考えていた事などは社員の夢としてほとんど書いてあるのです。逆を言えば上からのお仕着せではなく、自らの夢を実現するためにがんばった方がやりがいを感じてくれると思うのです。今では新しいことにチャレンジする事に何の抵抗もない会社になってきました。もちろん先代の理解がなければ、出来なかったことです。」と語る今野さんだ。

  そしてどんな時も側で支えてくれたのが奥さん。女性ならではの感性でパッケージや広告のデザインを担当してきた力強いパートナーでもある。近々息子さんも商売を継ぐ予定だと伺った。老舗の誇りを財産に、若い世代がアイディアを出しあってお茶の文化をますます深めていってほしいものである。

 


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