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仙台発。大人の情報誌「りらく」顔語り

佐藤 豊(さとうゆたか)

佐藤 豊

佐藤 豊 - さとう ゆたか

'53一関市生まれ、早稲田大学教育学部卒。'87仙台に早進ゼミを開塾。'96デンマーク福祉研究所を設立。'99年NPO法人チャレンジドネットワークみやぎを設立。'00NPO法人ホライズンを設立。著書に「パパがんばって」(関東出版)、「無党派みやぎの乱 浅野知事圧勝の秘密」(本の森)、「革命にかける七人の男達」(本の森)他がある。

 「福祉面で宮城県は先導的な役割を担っています。今後もっと推し進めていかなくては…」。 知的障害者の自立を支援するために、NPO法人として全国初のグループホームを設立、運営。 その入居体験ができる画期的な「とまり木制度」にも評価を得ている。
 こうした福祉活動については、「ダウン症の娘を授かった親としてのライフワークですね」。 穏やかで、丁寧な話しぶりが印象的だ。家族で北欧を訪問し、先進の福祉施策や本来のノーマライゼ ーションに触れてきた。「日本も、たとえば親が先に逝っても、障害児が自立して生きて行けるような社会であって ほしいのです」。人権尊重はもちろん、家族内での子離れ・親離れが必要と説く。その目標を見据え、ヘルパーの養 成や障害児の就労支援など、活動は幅広く意欲的。「これからは、行政とNPO、NGOが協力して進める時代になる でしょう」。物腰はソフトながら、太くしっかりした『芯』が伺える。

 本業は、仙台市内6校に約700名の塾生を抱える予備校の塾頭だ。「アパートの一角でゼロから始めたのですが、 時代がマッチしたのか、みるみる生徒が増えましてね…」、謙遜しながらも、『理解するまで教える』という単純で難 しい教育方針を披露。「今の学校の40人学級教育ではかなわない、科目ごとの習熟度別にきめ細かな指導を徹底しています」 と自負する。多忙な毎日でも、現場への熱意は並々ではない。
「今の学校は『ゆとり教育』のはずが、子どもたちの学力が落ち込み、とても危機的な状況です」。これまでの 日本の教育がノーベル賞受賞者を輩出してきたという実績も踏まえ、かつ学校教育の新しい可能性を追求する。 「子どもや親が先生や学校を選んだり、教える側にも縛りのない、自由なスタイルの学校があってもいいと思いますよ」。 淡々と発する言葉はひとつ一つが熱く、研ぎ澄まされている。

 幼い頃からド・ゴールやケネディーに憧れ、大学では政治学ゼミを専攻、夢は弁護士か政治家だった。 '93年、福祉改革を訴えて宮城一区から衆院選に出馬したが敗北。同年と'97年の知事選では無党派の浅野氏を応援した。 「大きな挫折感も味わいました。でも政治にはいつも目を向け、常に刀は研いでいるつもりです、鞘から抜かずに終 わるかもしれないけれど…」。なんとも格好良い決め台詞ではないか。

 50歳になって思うこともあるという。「昔は感じなかった、花の美しさやクラシック音楽の良さがわかるよう な気がしてきました。がむしゃらに進むだけの人生もどうかと思ったりね」。表情がふと優しくなった。思うに、 感受性が高まるということは、人間の幅が広がることになる。従ってその実は、硬軟の両刀を磨くことになるはずだ。 いつの日か、その凄腕を振るう舞台が整ったら、大いに応援したい。



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